お灸とは

 お灸は約3000年前に中国で発明され、その後 日本にもたらされたとされる非常に歴史のある民間療法です。
お灸の原料となっているのは「もぐさ」。もぐさとは、ヨモギの葉の裏にある白い綿毛を精製したものです。
この「もぐさ」に火をつけて、体を温め、ツボを刺激するのがお灸です。

お灸の作用

1.温熱作用




温めるイメージの強いお灸ですが、「温める」だけではない様々な作用があります。皮膚上への熱刺激が、皮下の筋肉や血管、リンパに影響を与えます。
温熱刺激により、副腎皮質ホルモンが分泌され、白血球が活性化されるほか、炎症や痛みを抑制する効果があります。また、ダメージを受けた細胞を修復するヒートショックプロテインというタンパクが分泌され、免疫細胞の働きを強化します。

2.経穴刺激作用




人間の体には「経絡(けいらく)」というエネルギーの通路が、全身をくまなくめぐっているとされています。東洋医学でいうエネルギーとは、人間の生命活動に必要な「気・血・水」のことで、「気・血・水」が不足したり、その流れが滞ると体が不調をきたすと考えられています。この経絡の上にあって、「気・血・水」が弱ったときに反応がでる箇所が「経穴(けいけつ)」、いわゆる「ツボ」です。ツボにはそれぞれに作用がありますから、それを刺激することによって、冷え症や肩こり、腰痛、目の疲れ、むくみ、ストレス、不眠などといった体のさまざまな症状の改善が期待できます。

3.アロマテラピー作用

  

もぐさの有効成分として注目したいのがシネオールという精油成分。ヨモギのほかユーカリにも含まれるもので、強力な消毒・殺菌・鎮静・鎮痛作用などがあります。お灸をすることによって、この成分が皮膚の表面から内部に浸透していきますから、痛みを和らげるなどの効果が期待できるのです。ちなみにこの成分は、もぐさを燃やした際にでる煙にも含まれており、またもぐさの匂いにはリラックス効果もあります。お灸の効果を高めるためには煙も大切な要素だといえるでしょう。

4.免疫力強化作用

  

 「免疫力」を正確に測る方法は確立されておりませんが、異物を攻撃する白血球や免疫を獲得する際に働く細胞の活性化、加えて白血球の含まれた血液を全身にくまなく届ける血液循環の改善作用により、免疫力が強化されるといえます。また、リラックスすることにより、副交感神経が優位になり免疫力が強化されます。

powered by crayon(クレヨン)